6月の半ば、「紫陽花が見頃になって来た」との連絡を受けて観音寺方面に何度か行ってきました。
今日は6月19日に八十八ヶ所霊場の
「観音寺」へ行った時の様子です。

六十九番札所・観音寺は琴弾山の中腹にあり、
六十八番札所・神恵院と同じ境内に並んでいる珍しい霊場です。
仁王門(山門)も一緒です。

仁王門(山門)を入ると、「神恵院」、「観音寺」への参道の両脇に紫陽花が植えられています。

ガクアジサイ
(額紫陽花)や セイヨウアジサイ
(西洋紫陽花)が主で、数も然程多くありませんが、

その花の美しさはどこの名園や名所の紫陽花にも負けていません。
きっと、雰囲気がそうさせているのでしょう。

石段を登り切ると正面には樹齢1000年と言われる大きな楠があり、

薬師堂への階段横に咲いていた紫陽花は、まるで仏さんたちの光背のように見えました。

参拝を終えたお遍路さん達は、休憩もせず次の霊場へ向かう人もいれば、

境内にある「梧桐庵」という茶店で(店頭はお接待所)一服してから、次の霊場へ向かう人もいます。

遍路行脚でない僕は
(勿論、二つの寺への参拝はしましたが)、罪悪感に似た“後ろめたさ”を抱きながら駐車場に向かいました。
途中、山門近くで清爽感あふれる青年のお遍路さんと出会いました。

亡き友人の若い頃の容姿に生き写しだったのに驚き、思わず振り返って見ると、
その青年は微動だにしない姿勢で石段の上にある本堂の方へ視線を向けていました。
そこへ、お遍路姿の女性が静かに下りて来ました。

伏し目がちに、一段一段静かに下りてくるその所作の美しさに目を奪われました。
青年もその美しさに心が揺れたのかも知れません。映画を見ているような美しいワンシーンでした。

二人は言葉を交わすこともなくすれ違い、愁いを帯びた表情をした女性は伏し目がちに僕の脇を通って山門の方へ、青年は石段の下でもう一度立ち止まり、その後ゆっくり本堂の方へ上って行きました。

女性や青年を遍路へ駆り立てた動機や思いとは一体何だったんだろう・・・。
お二人に幸せあれ・・・、そんな事など祈りながら山門を出てきました。

それでは又、観音寺の境内でお会いいたしましょう。 www
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- 2016/10/12(水) 08:30:00|
- 香川のお寺や神社
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| コメント:2
観音寺の大楠はいつも魅力的な佇まいですねぇ~・・・
若いお遍路さんを迷わせるような白日夢を見せるような力が有るのかも・・・???
若きお遍路さんに幸多からん事を・・・
- 2016/10/12(水) 19:23:59 |
- URL |
- @我楽多 #kTvoSsVA
- [ 編集 ]
我楽多さん
大楠の根幹の太さは圧巻ですね。
清爽感あふれる青年のお遍路さんと
美しいお遍路さんとの邂逅・・・。
水上勉の小説を読んでいるかのような錯覚を起こすシーンでした。
でも、お互い声もかけず、そのまま別れてしまいましたからね~。
再びどこかで運命の出会いが無い限り、
話の展開としては難しいです。
この光景を見た後、
≪二人のお遍路さんに 幸あれ≫との思いを抱きながら観音寺を後にしました。
- 2016/10/13(木) 20:54:46 |
- URL |
- 喜多さん #-
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