徳島の山間部へ行くと、このような急峻な地形のところにある集落をよく見かけます。
日本三大秘境の一つ、平家一族の哀話を秘める“祖谷”にある
「かずら橋」 はこんな集落にあります。

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♪「祖谷の粉ひき唄」 ←クリックして映像と唄とをお楽しみください。
♪ 祖谷のかずら橋ゃ蜘蛛の巣の如く 風も吹かんのにゆらゆらと 吹かんのに吹かんのに風も 風も吹かんのに ゆらゆらと♪
中学生の頃、ラジオから流れる哀調を帯びたこの民謡や、宮崎県の「稗つき節」(資料1)を聞き、山深い隠れ里でひっそり身を潜め暮らしていた平家の公達の生活ぶりを想像し、色々な想いを巡らせていた事を思い出します。
この地を初めて訪れたのは、学生の頃遠縁にあたる叔父に連れられて「大歩危小歩危」を旅した時の事でした。
昔は随分心もとなかったであろうこの橋は、今は事故防止のために3年毎に架替えが行われているそうです。
橋を吊るしているワイヤーは、シラクチカズラで写真のように巻いるとか。しかし、足元がゆらゆら揺れ、板の隙間から足下の激流(時期による)が見えたら高所恐怖症の人はどうしても二の足を踏むようです。

「かずら橋」は、弘法大師が祖谷に来た時、日頃の生活で不便を極めている村民のために架けたとか、あるいは平家の落人がこの地に潜み、源氏の追手が迫って来てもすぐ切り落とせるように葛を使って架けたとの伝説もあるようです。(※資料2参照)後者の話は、滅びゆく平氏を想い、イメージが無限に広がっていきます。

江戸の頃(弘化3=1846年)の「かずら橋」の様子を描いた資料です。
こんな危うい橋を渡り、更に山深く入っていくと奥祖谷の集落があり、その渓谷には「二重かずら橋」や「野猿」も架けられています。(※資料4参照)
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『阿波名所図会』「祖谷のかずら橋」 ![img20100329234057906[1]](http://blog-imgs-46.fc2.com/m/a/h/mahorobanoshimauta/20121115220027c21.jpg)
長さ45m・幅2m・水面上14m。 昔と違ってより安全とはいえ、やっぱりスリルはありますねえ。

「かずら橋 」を後に「大歩危・小歩危」(おおぼけ・こぼけ)まで下りてきました。

「大歩危・小歩危」の観光中心部付近。この辺りが、船下り、ラフィティング、カヌー等の遊びの中心部です。
いつもより水量が少ないようです。この流れではどうでしょか、カヌーは安全ですが、ラフィティングは(遠くでボートを見かけましたが)迫力はいまひとつ足りないのでは・・と思いますが・・・。 バシッ! 余計な事でしたね。

右上は高知まで伸びている国道32号線。左の崖の中にJR土讃線が走っているのが見えますか?

疑い深い人のためにUPします。バシッ! 丁度特急が来ましたが、アンパンマン列車でなくて残念です。
車窓から見る景色は絶景ですが、高いところが苦手な人は、怖くて見れないそうです。www

↑の電車は、やがてこの鉄橋を渡り、琴平、多度津、高松方面へと走り去って行きました。
上の写真を撮って直ぐその事に気づけば鉄橋を渡っている所を写せたのですが・・・残念!。

帰りは大野原にある築70年の古民家を改造したの喫茶店
「ブルーベリー茶屋」 でコーヒーをご馳走になりました。 中は落ち着いたつくりで、フロアにはピアノも置いてあり、コンサートも催されているとの事でした。良いですね~。
来年、「法泉寺」等へ紅葉を見に行った帰りには嫁さんを連れて立ち寄ろうかと思っています。

今回(も)お世話になったTさんと別れ、須田港に着いたのが15時15分。
別途、所用を済ませ、18時の定期便で島に帰って来ました。

故郷で見る月も今年はこれが最後となり、みんなの待つ横須賀に帰る日も明後日に迫りました。
《天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも》
遠い異郷の地で月を仰ぎ見て、故郷日本に思いを馳せた阿倍仲麻呂の気持ちが分かるような気がします。

それでは、又。

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資料1、■《日本三大秘境》の一つ宮崎県椎葉村に伝承する平家の公達・鶴姫と平家追討の任を受けた那須大八との悲恋を唄った
♪「稗(ひえ)つき節」 です。
資料2、■
「かづら橋の起源」 を分かりやすく解説してくれています。
資料3、「日本三大秘境「」とは、「岐阜県・白川郷」「徳島県・祖谷」「宮崎県・椎葉村」です。
又、
「日本三大奇矯」 とは、「山口県・錦帯橋」「山梨県・猿橋」それにこの「徳島県・かずら橋」。三つ目の橋は日光の神橋と争っています。ww
資料■4、
「二重かずら橋と野猿」 剣山へ行った帰りのリポートです。
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- 2012/11/18(日) 00:00:38|
- 徳島
-
-
| コメント:6
「かずら橋」は、やはり、スリルがありそうですね。わたしなど、そこに行ったら、渡ることができるだろうかと思います。そして、1枚目の写真を見ると、ほんとうに急な斜面のところに家が建っているのですね。また、「大歩危・小歩危」の川の水の色がいいですね。
先週は、朝の通勤電車が何度も遅れ、たいへんでした。今週は何もないといいのですが。
- 2012/11/18(日) 20:35:52 |
- URL |
- ラムダ #-
- [ 編集 ]
ラムダさん
ありがとうございます。
徳島、高知の山間部はこのような急峻な傾斜地の集落が多く見られます。
2010年、11月30日、12月02日のブログを時間があれば見て下さい。
山間の集落地を訪ねた時のリポートをUPしています。
「かずら橋」はつり橋ですからね~。唄ではないですが
風も吹かないのに ゆ~らゆら揺れて・・・ (誰かが揺らしていたりして・・・www)
隙間から下の川がが見えるのが又、スリルがあります。
平家の落人集落と言えば・・NHK大河ドラマ『平清盛』いよいよ源氏の旗揚げですね。
ドラマとして見たいような、心情としてみるのが辛いような・・・複雑な心境です。
通勤は何かと疲れますね。
でも始発電車ですから、座って行けるのが何よりではないですか。
先日、久しぶりにラッシュにもまれながら横浜から帰って来ました。
ラッシュなど殆ど経験したことが無いので疲れました。
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あきゅらさん
ありがとうございます。
今まで見て来た限りでは、一番怖がっているのは中年の女性、次が若い女性でしょうか。
男子は(見栄を張っている人もいると思いますがwww)引き返す人は見かけません。
高齢者は渡る人が少ないですね。僕も後10年くらいでしょうか。www
三人三様のリアクションが面白いでしょうねぇ。
でも、みんな運動神経が良さそうですから平気で渡っちゃいそうです。
お兄ちゃん、おねえちゃんは物足りなくて往復したいくらいでしょうねぇ。
(往復は禁止されていますけど)www
ここも面白いですが、「野猿」(資料4の「二重かずら橋と野猿」参照)の方が
怖くて体力が必要で面白いですよ。
お兄ちゃんなどは絶対こちらでしょうねえ。
- 2012/11/19(月) 00:03:35 |
- URL |
- 北さん #-
- [ 編集 ]
大歩危でのカヌーやラフティングの基地であるウエストウエストには寄らなかったんですねぇ~・・・
彼処にはコンビニもあって結構便利に使わせて貰っています・・・
モンベルのお店もありますので、キャンプガスなど足りない物を買う事もあります・・・
しかし、祖谷渓もアプローチが反対になったり大規模な駐車場が出来たりと相当変化が激しいですねぇ~・・・
- 2012/11/19(月) 11:57:50 |
- URL |
- @我楽多 #kTvoSsVA
- [ 編集 ]
祖谷のかずら橋は、高校時代に四国電力さんのアルバイト
で通った関係で見て以来、拝見出来ておりません。
もう、数十年もお邪魔していないことに。。。
そうそう、先日テレビで祖谷の藁葺き屋根の民家を
買い取ってリフォームして、今では民宿(ホテル?)と
して営業されてるアメリカ人の○X▲さんの事と、祖谷の
そのホテルの出来上がりまでのドキュメントを放送して
ましたね。見ましたか?宿泊費1泊2万円ちょっとかかる
ようですが、とっても素敵な宿でした。行ってみたいです。
- 2012/11/19(月) 13:53:47 |
- URL |
- ken #-
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我楽多写楽さん
ありがとうございます。
「ウェストウエスト」には入ったことがありません。
「モンベル 」は行くたびにぶらっと入り、買い物もしたことがあります。
今回は、同行のTさんが買い物をしたので、無料で河原まで降りることが出来ました。
そこで、カヌーを安く売っていたので、一瞬グラッと来ましたが思い留まりました。www
「モンテベル」は横須賀にもあるので時々覗きます。
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Kenさん
不思議なもので地元だといつでも行けるのでついつい後回しに・・・・ってことはありますね。
TVは見ていません。祖谷渓にそんな民宿が出来たのですか?
実際宿泊しないと分かりませんが・・
民宿で2万円の宿泊料はちょっと考えますね。よほどの目玉がないと・・・。www
- 2012/11/19(月) 17:15:37 |
- URL |
- 北さん #-
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